私は私なりに思ったり考えたりした。

つれづれ綴ったり色々。

僕らは星を目指し、塔を登る。

 夏はすっかり過ぎ、時々凄く寒い夜が襲いかかる頃、僕はすっかり何度目かの死に損ないになり、また打ち消す予定の余生をのうのうと生きていて。

最近はこんな、活字に良くあるような文章を並べては自己を満たし、間違っている日々へのフラストレーションを解消する。

いかにそれが無意味な事かを考えて、他の事で解消するかを考えていた。

 思えばこんな性格になってから、前にやっていた趣味や興味も薄れていくばかりで空洞化が著しくなっていった。

その昔、私はアニメや漫画、ゲームなどサブカルチャー的な物を嗜んでいたが、自分に余裕が無くなると同時、それらに対し費やすエネルギーも失われていた。

 それでもゲームは、幾つかはまだ打ち込んでいるものはあるが、肝心のゲーム部分などは殆どプレイする時間が無く、ストーリーやエピソードなどを見たりして満足してしまう体になっていた。

無論、アニメにもそれが言える事で、30分を費やすという事が難しくなっていた。

 そんな私のネットワーク上での生活は、Youtubeで好きなアーティストのMVを無意味に何回も見直したり、最近の流行のvtuberというのを見たりしていた。
進まない作業をタスクバーに置き去りにし、ブックマークからYoutubeを何回も巡回している時だった。

 「少女☆歌劇レヴュースタァライト」というアニメーション作品の文字が目に飛び込んできたのだ。


www.youtube.com
一話目にしてサムネイルがこれとか攻めすぎではないか?


 最近話題になっているという話は小耳に挟んでいた私は、
この記事を書いている現時点までの最新話が無料というバナナカップケーキ並の甘い餌に簡単に釣られてしまった。

無論、潰せる余裕がないはずの暇を潰す為に見始めた。その結果、あえなく沼に落ちてさらに降下という寸法を辿った。

 この作品は、カードゲームやソーシャルゲームなどを展開しているブシロードと、舞台製作の界隈で一角を担うネルケプランニングという企業がタッグを組み、生まれた物だ。

 元はブシロードが得意とするメディアミックスコンテンツから始まった物であり、ミュージカルを題材にし、現実のミュージカルとアニメ、漫画を軸にした物だ。
既に実際の現実などで舞台などが上映されており、コンテンツの展開自体は去年から始まっていた。

 その展開の一つとして今年の夏アニメに参入したのがこの作品。
アニメは実際の舞台や漫画とはストーリーが異なるらしいが、正直今はこれしか知らないので言及はしない。

 さて、アニメの物語は舞台俳優やその裏方のスタッフなどを育成する宝塚じみた学校から始まる。
舞台に魅られ、舞台の為に生きる、通称「舞台少女」と呼ばれる少女達が、切羽琢磨して「トップスタァ」を目指していく話だ。

 その中の一人、主人公である「愛城華恋」は小さい頃、一緒にスタァになろうと約束した幼馴染とまさかの転入生として再会を果たす。
再会に喜び、その幼馴染を追いかけていると、「レヴュー」という本当のトップスタァを決める為の秘密のオーディションに巻き込まれてしまう。

そこで、幼馴染を助けようといざ刀を抜いた所、何と勝利を挙げてしまい戦いに身を投じる事になってしまう。

 その後の話は、壁にぶつかっては日々成長を続け、金星金星と上げまくる。
勿論、黒幕にあたるような人物も居て、それらとの熱戦もある。その度に縁を深めて行くという寸法。

 こう書くと、凄いバイオレンスな物を想像しがちだが、実際は友情もあれば、劣情嫉妬屈辱などの醜い感情もあり、監禁、家出、時には時間軸移動もある。
日常シーンはシリアスそうな人物にも柔らかい演出を当てたり、レヴューシーンではその舞台に命を燃やすように動く舞台少女達。

 私はバトル物などには正直、抵抗が強かったのだが、そのシーン一つ一つにかっこ良さや美しさがあり、
一つだけの星にそれぞれの思いをぶつけながら向かう舞台少女達に夢中にさせられた。


 また、改めて見返せばまた色々気づけるというギミックもあり、もう一度見てみようと思わせる仕掛けもある。
設定やそれぞれの人物の考え方も練りこまれており、初見と二回目以降では何もかもが今までに感じた事のない感覚に襲われる作品だ。


 こういった作品を見た中でつれづれ思うのは、やはり王道的なストーリーも悪くはないが、ちょっとひねくれてた方が私にはしっくり来るという事だ。
簡単にはいかないが、一つの思いで突き進み、願いを叶えるというのは典型的なハッピーエンドであり、そこに到達するまでのプロセスも大事だったりする。
 醜い話にもほんの僅かな美しさを見出すというのは難しい事なのだが、それ故の輝きもあるという事なのだ。


因みに、星の光に勇気を与えられたのは一回だけではなかったりする。
 例えば、そんな名前をした曲に立ち上がる希望を貰ったりもしていた。星の光とはそんな、願うべきものじゃないかと思う。